2023年5月の作品は、先月、撮影してきた鋸山になります。
昨年の4月に載せた「房総 1」にも少し写真がありますが、鋸山(のこぎりやま)は千葉県の数少ない面白い観光名所となっています。
「房総 1」の時はロープウェーで登ってから写真を撮りにいきましたが、今回は麓から自分の足で登りながらゆっくり撮影を楽しんできました。
鋸山は、江戸時代から石材(房州石)を山から切り出していて、その時の運搬道として使われていた道が今も残っています。
それを利用して作られた登山道が「車力道ルート」と呼ばれていて、それを今回登っていきました。
一本80kgにもなる石材を一度に3本、ネコ車というものにのせて主に女性がこの道を運んだというから驚きです。
登山道には石材が残っていて、苔むしていい感じになっています。
登山道は結構急斜面だったり階段が延々と続いたりして意外と大変なのですが、ハイキングをした日は気持ちの良い晴れた日で、新緑や藤の花がとてもきれいでハッピーな気分になりました。
登っている最中はあまり思わなかったのですが、後で写真を見てみるとほとんど写真が「緑一色」になっていて変化に乏しく面白くないかも?ですが、お付き合いください。笑
↓以前登山した時にもう一度来たいと思った場所で「切通し」と呼ばれています。
この空間の雰囲気がなんとなく好きです❤
良質な石材を求めて切り進めたためにできた穴ですがまるでどこかの遺跡のような雰囲気になっていますね。
道端の岩もなんとなく存在感があります。
よく神社にしめ縄が巻かれた岩がありますが、そういう雰囲気かも?
ものすごい規模で石材を切り出したのでこんな大空間が出来上がっています。
そこに緑が生い茂って不思議な雰囲気になり、新緑の季節に来てよかった!と思いました。
本当は、岩に苔がきれいに生えているかな、と期待して計画した登山でした。
更にこういう木があると遺跡っぽいですよね。嬉しくなってしまいます。
石工さんたちは色々面白いこともしていて、ネコの彫刻なんていうのもありました。
そして、最後に立ち寄ったのは「樋道(といみち)」とよばれる石切り場の名残り。
これは切り出した石材を山腹におろす滑り台のようなもので、階段とセットで作られていたそうです。
階段は石材が滑り落ちる速度を調整する作業者の足場でもあり、麓から石切り場への往復路にもなっていました。
人力で切り出し、人力で運んでいたなんて想像するだけで息切れしそうですが、錆びた機械類も残して展示してある場所もありましたので後期はおそらくもう少し機械化されていたと思います。昭和60年まで採掘が続けられました。
この道や石切り場についてはもう少し詳しく書きたいところですが、長くなってしまいますのでここでは割愛して、遺跡のような雰囲気の鋸山をご紹介するにとどめます。
いつもは「自然」にこだわってできるだけ人工的なものは排除しての撮影をしていましたが、今回は人の手によって切り出された石を撮影してみました。
今回の登山は、行きは車力道、帰りは関東ふれあいの道を歩きましたが、写真を撮るのに時間をかけてしまったので7時間半もかかってしまいました。(普通は数時間のコース?)
カメラ機材が重く結構大変でしたが、ものすごく楽しかったです。
まだまだ魅力が尽きない鋸山ですが、また行きたいと思います。