梅ヶ瀬渓谷

2023年2月は、千葉県にある梅ヶ瀬渓谷で撮影した作品をご紹介したいと思います。

先月、車中泊(一泊)で梅ヶ瀬渓谷へ撮影旅行に行ってきました。

この梅ヶ瀬渓谷は、冬にツララができることが有名で、以前から行ってみたいと思っていましたが、寒波がやってくるという予報を見て行くことを決めました。

梅ヶ瀬渓谷は、去年、新緑で訪れた養老渓谷の近くで、車中泊をした場所もその時利用した「山の駅」にしました。

 

さて、この梅ヶ瀬渓谷に行くのは初めてで、どのような場所なのかの情報もあまりなく、ハイキングコースになっている、ということだけはわかりました。

そして、沢歩きのような感じになりそうなので、長靴が必要かも?と思いましたが、まずは一日目にトレッキングシューズで行ってみることにしました。

養老川の小さな支流・梅ヶ瀬川に沿ったハイキングコースは、せせらぎのやわらかな音を聞きながらの散策となりとても楽しいものでした。

道案内はほとんどありませんが、目印のピンクリボンを頼りになんとなく歩いて行くことができました。

時折、川を渡らなくてはいけない道になっていて、誰かが置いていったであろう石の上を少し濡れながら渡って行きました。

 

 

梅ヶ瀬渓谷というだけあって、梅の木が植えられていて開花し始めている木もありました。

優しい感じの梅の花ですね。

 

久しぶりに森林浴、ハイキング、山の空気と言ったものを味わうことができ、とても嬉しい気分に。

 

 

梅ヶ瀬渓谷のツララは、早朝だけで昼になるにつれてとけてしまうということでしたので、午後の散策でツララは見られないことはわかっていました。

きっとこういう場所にツララができそうかな?と翌朝の下見のつもりで歩いてみました。

この壁は、川が削り取ってできたと思われるカーブした長~い壁に囲まれたとても素敵な空間になっていて、お気に入りとなりました。

 

ゆっくり散策していたおかげで日没近くになり、明るいうちに帰れなくなると思い、終点まで行かずに引き返すことにしました。

夕暮れの雲が徐々にいい感じになってきました。

 

車で梅ヶ瀬渓谷に向かう途中、黒川沼のこの景色↓が目に入りましたが、先に梅ヶ瀬渓谷に行きたかったので、そのまま素通りしましたが、帰り道どうしても気になって一枚撮影。

秋にはモミジの紅葉がさぞ美しいかと思われますが、冬の白い幹や枝の存在感もなかなか良いですね。

 

さて、車中泊をするために山の駅・喜楽里にやってきましたが、前回に比べて車の数がほとんどなく寂しい感じでしたが、数台の車はあったので私一人ではありませんでした。ほ。

ひとりの車中泊は正直怖い。笑

ツララができるほどなので、外はかなり冷えてきました。

そして、就寝前にトイレに行こうと外にでてみると星がとってもきれい!!でも、寒い!!でも、撮る!!と意を決して写真を撮ることにしました。

ピントを合わせるのが難しく、あまり上手くいきませんでしたが、日本でこんなにきれいな星を見たのは久しぶりです。

オリオン座がはっきりわかりますね。

 

日の出の写真を撮るのとは違って、夜明け前から起きなくても良いので、適当に目が覚めたら梅ヶ瀬渓谷に行けばいいかな、と就寝。

結果、6時半ごろ起床。

わ、寒い。で、外にでてみると車のフロントガラスが霜だらけ!

ガラスの内側にも霜。やっぱり寒いんですね。これは全く考えていませんでした。

これを落とすのに時間を取られて出発するのが遅くなってしまいました。

 

前日歩いた道を歩き始め、目星をつけていたツララポイントに向かいます。

が、行ってみるとほとんどツララなんてありません!ショックです。

こんな↑感じでちょろっと垂れているぐらいです。

それでもなんとか撮影していると通りがかった男性が渓谷の奥の方で撮影したという写真を見せてくれて、もう少し先に行った方がよさそう、ということがわかりました。

 

更にハイキングを続けていると思いもよらないハプニング発生!!

カメラの三脚が壊れてしまった?!

根元の部分が腐食からか急に粉を吹いて外れてしまいました。びっくりです。

確かに10年以上使っているし、海で海水に漬けたりすることもあるので、こんなことになっても仕方ないですね・・・

とりあえず紐で応急処置をして、撮影続行です。どうかはずれないでくれ~

 

 

 

歩いていくと前日たどり着けなかった、「せせらぎの階段」がでてきました。

ここは撮影ポイントとして楽しみにしていましたが、水量が少な過ぎでしょうか。

水量が多いときれいな感じになりそうですが、水量が多いということは川を渡るのも大変かも?と思います。

 

さて、前述の男性に教えて頂いたと思われる場所にたどりつきましたが、それほどツララがありません。

おそらくとけてしまってかなり寂しい感じになっていました。

つまり来るのが遅かった!!ということのようです。が~ん。

あるいは、もう少し寒い日に来るしかないのかもしれません。

 

こんな↓感じで岩壁から染み出てきた水が凍ってツララになるのですが、「絵」になるほどではないですね・・・

色々な写真で見たような「すごいツララ」を期待していましたが、まだまだ寒さが足りないのでしょうかね、きっと。

ん~、もう今年は無理かな・・・

 

とはいえ、せっかく来たので、あまり普段見ることのできないツララをマクロレンズで撮影。

小枝を覆うように凍っていて、よくみると表面にスジ状に不思議な模様ができていて面白い。きれいです。

 

 

更にハイキングを続けて、ようやくこのハイキングの終着点「日高邸跡」に到着しました。

日高邸跡
明治の偉人日高誠実(のぶざね)は、明治19年、50歳になって陸軍省を辞し、官有地229町歩を無償で借り受け、理想郷梅ヶ瀬を建設すべくこの地(当時の地名で市原郡白鳥村西沢)に居を移しました。 そして近隣十ヵ村の人たちの協力を得て、植林・養魚・畜産等に力をつくすかたわら、梅ヶ瀬書堂を開校し、近郊在住の師弟に国漢・英数・書道・剣道等を教授し有為な人材を育成しました。 従学する人々は市原・君津・長生・山武・夷隅の五郡(当時)にわたり、数百人に達したといわれます。 しかし、深山幽谷の地形はあまりにも地の利が悪く、台風や豪雨のたびに山は崩れ、川は埋まり、根付いたばかりの梅樹も根こそぎ倒され、養魚場も荒らされました。 誠実は私財を投じては復興に精を出しましたが、志は次々についえ、大正4年近隣の人々から惜しまれながら80歳の生涯を閉じました。 梅ヶ瀬書堂跡は往事を偲ぶよすがもなく、この地に日高誠実がいたことを知る人さえ少なくなっていましたが、その志を後世に伝えるため、有志により大福山休憩所近辺に顕彰碑の建立を計画したところ、多くの人々の賛同があり、平成11年11月23日、書堂跡、大福山展望台、養老渓谷駅前の3箇所に顕彰の碑が建立除幕されました。

養老渓谷旅館組合ホームページより引用)

 

こんな場所に理想郷をつくろうとしたこんなすごい人がいたのですね。初めて知りました。

 

 

 

この場所には、立派なモミジの大木3本があり、日高邸跡を静かに見守っている感じでした。

 

 

日高誠実が果たせなかった理想郷の夢ではありますが、穏やかで美しい自然あふれる雰囲気になんとも癒されました。

紅葉の季節にはきっとすばらしい景色が見られそうです。

 

思いのほか時間がかかってしまい、この時すでに午後1時半。

おなかもすいたし、トイレもない。

午前中で帰れると思っていたので、食べ物も飲み物も持たずに来てしまいました。

 

3本のモミジの大木たちと記念撮影をして「また来るね」と帰路につきました。

 

ちょっと疲れましたが、とても「気」の良い穏やかなハイキングコースなので楽しく歩くことができ、かなりリフレッシュできました。

また新緑または紅葉の季節に来ようと思います。

 

 

※ハイキングマップは下リンクのものが分かりやすい。(忘備録)

  梅ヶ瀬渓谷ハイキングコースマップ(pdf)

 

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