今回は新作ではなく以前アメリカで撮影したホワイトサンズの作品を取り上げたいと思います。
2025年11月1日(土)~11月9日(日)千葉市中央図書館のアトリウムにて千葉国際アートクラブの展示があり、そこでこのホワイトサンズの作品を7点展示いたしました。
もともとは、2016年新宿でホワイトサンズの個展を開催(ブログ「写真展を終えて」参照)したのですが、その時に展示したものの中から選びました。
まず、このピンクの砂丘の作品は、個展のDMに使用したもの。
2015年6月に5日間通ったホワイトサンズの最終日の早朝、特別にお金を払って開園前に入場させてもらい日の出時刻に撮影したもの。
最初は何も無い空で普通の朝でしたが、日が昇るについれて徐々に雲がモクモクと湧きだしてきてピンクの一番きれいな時にまるで龍のような不思議な雲になってくれたのです。
感動で泣きそうでしたが(いや、泣いたかも)超広角レンズでも収まり切れない長い雲を魚眼レンズでなんとか撮影しました。
ホワイトサンズといえば、白い砂。
そして、白い砂の正体は石膏(せっこう)。石膏の粒でホワイトサンズは成り立っているのです。
白い砂がどこまでも続いていますが、こんな風に白く見えるのは曇っている時。
あまり曇っていると凹凸がなくなりグレーの砂になりつまらないのですけれど、多分この時は砂が舞い上がって空がかすんでいたのだと思います。
一見、平凡に見える光景ですが、実はこんな風に見える時はとても珍しいし、砂だけを撮影(砂の無い地表が見えたりする)できる場所を見つけるのが一苦労なのです。
そして、晴れた日のホワイトサンズがこちら。
そう、影がブルーなんですね。
私達日本人が影という時、普通「黒」とか「濃いグレー」を思い浮かべますよね。
でもアメリカでは青い影を見ることが多い気がします。
特に白いホワイトサンズでは青い影が本当に美しい。
それにしても風紋ってきれいですよね~❤うっとりしてしまいます。
それでも、一枚目の写真もそうですが、太陽が低くなり空が赤くなってくるとやはり砂も赤く染まってきます。
このオブジェのような塊は、「石膏スタンド」と呼ばれ、植物がこの地で生き残るために適応して出来上がったと考えられるもの。
こういうオブジェがあちらこちらに点在していてなんだか可愛いのです。
大きさは人の身長より少し大きいくらいです。下の写真は同じものではありませんが、大体どれもこんな感じです。
ホワイトサンズは、ほとんど雨が降らず常に乾燥していますが、植物は育ちます。
その中でも特徴的なのがこのユッカ。
初夏に白いきれいな花をさかせてくれて、辺り一面良い香りが漂います。
これを撮った日は、サンタフェからホテルのあるアラモゴードまで車で4時間ほど走り、一休みしてホワイトサンズまで行くのですが、疲れてしまってホテルを出発するのが日没に間に合うギリギリになってしまいました。
しかし、それが反って良いタイミングで砂丘についてすぐにこの場所、この太陽にめぐり合いお気に入りの一枚を撮ることができました。
最後は月明りのホワイトサンズ。
ホワイトサンズは、軍用地内にあるためか、日没後1時間後に閉門してしまいますが、満月の夜だけは夜遅くまで開いています。
フルムーンハイクやコンサートなどのイベントもあります。
こんな絶好の日を逃すわけにはいきません。
夕方の一番きれいな時間帯も落ち着いて撮れますし、月明りの幻想的な時間を楽しむことができます。
ただ迷子にならないようにするのが大切です。
暗い中、砂丘にいるともうどこがなんだかわからなくなりとにかくGPSだけを頼りに歩きます。
鉄則は「来た道をなぞって帰る」です。
早く帰ろうとしてショートカットしても、登れないような砂丘の連続で帰れない、なんてことになります。
そうすると半べそをかきながら延々と砂丘をさまようなんてことも・・・
久しぶりにホワイトサンズについて書いていると、また行きたくなってしまいました。
私が通っていたころは、ホワイトサンズは国定公園(National Monument)でしたが、いつの間にか(2019年に)国立公園(National Park)なっていました。
国立公園になって、何が変わったのかは謎ですが、予算などが違うのでしょうかね。
最近、アメリカ政府がゴタゴタしていて予算がおりないなどの問題がありますが、そういう時、国立公園なども影響をうけてクローズしてしまったりします。
以前もそういうことがあり、確かクローズだか一部閉鎖だかに居合わせたことがありました。
日本では考えられませんが、何が起こるかわからない、というのがアメリカという国なのかもしれません。









